リスク管理を徹底しよう!企業におけるリスク管理について徹底解説!

リスク管理

企業がリスク管理を行うことは非常に重要な項目となっています。昨今の社会情勢は目まぐるしく変化しており、情報技術の革新・雇用形態の変化・グローバル化など、さまざまな要素が含まれています。これらの社会情勢および環境の変化に柔軟に対応することが企業の事業を継続するためには必要不可欠であり、事業の継続に伴って内包されているリスクを適切に把握し、多様化するリスクに迅速に対応することが急務となっています。本記事では、企業におけるリスク管理の重要性について詳しく解説します。

リスク管理とは

リスク管理とは、企業などの組織において内包されているリスクを適切に把握し、リスクの未然防止・リスク低減・リスク発生時の対処策構築など、さまざまなリスクを管理することが主たる内容となっています。企業が事業を継続させていくためには必要不可欠な業務であり、発生しうるリスクについて事前に検討して対応策を構築することが重要であるとされています。

企業におけるリスク管理について

企業の本質は、利益を最大限に追求して自社製品の提供およびサービスの品質維持および向上を伴って社員の雇用を守ることにあります。企業が製品およびサービス提供をすることで、他の企業事業活動および一般消費者の生活維持にも貢献します。それらの目的を達成させるためには、災害および事故などで事業継続が困難となることや、顧客および取引先に損害を与えないようにしなければなりません。また、社員の健康を害することや大量のリストラを発生させるような事態も避けなければならないのです。
企業としてさまざまなリスクを事前に想定して、リスクの未然防止・リスク損害の低減・リスクが発生した際の対応策などを講じておくことが企業におけるリスク管理であると言えます。

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リスク管理を行う際の資格について

リスク管理は、個人で行うものではなく企業の組織として一体的に行わなければなりません。リスク管理について、経営部門および管理部門にて策定したものを、社員全体で共有して日常的にリスク対策を行うことや、リスク発生時に迅速な対応が取れるように訓練なども行う必要があるでしょう。なお、組織としてリスク管理を行うにあたっては国家資格などの特別な資格は必要ありません。しかし、リスクマネジメント協会が認定するリスクマネジャー資格があり、これを取得することによってさまざまな知識およびノウハウを習得することができますので、活用すると良いでしょう。

企業におけるリスクマネジメントの重要性について

日本にはさまざまな企業が存在し、企業ごとに抱えているリスクも多種多様となっています。中小企業庁が公表している「中小企業白書2018年版」を参照すると、企業が事業継続を困難にすると想定しているリスクで最も多いのは自然災害です。その他、設備故障・火災および爆発事故・情報セキュリティ上のリスク・自社業務管理システムの不具合および故障などが挙げられます。このようなリスクに適切に対応して可能な限り被害を低減させることが重要です。
また、リスク発生に伴って企業が被害を被るに至ったしても最小限に留めるようにすることがリスク管理の本質です。上述したように、設備故障・情報セキュリティ上のリスク・自社業務管理システムの不具合および故障設備故障・火災および爆発事故・情報セキュリティ上のリスク・自社業務管理システムの不具合および故障などは企業内で発生することが想定されますので、事前に予測することが可能です。
これらについては、さまざまなリスクを事前に把握することで対策を講じることができますので、ある程度は回避可能なリスクであると言えます。しかし、自然災害・火災・爆発事故などについては外部的な要因が非常に強い事象となっていることから、リスクの予測は非常に困難であると言えます。昨今では、大型台風の上陸や大きな震災など自然災害が甚大化していることもあり、企業としてはこれらのリスクに伴う被害を低減させるため多方面より対策を講じる必要となっています。

リスク管理の種類について

リスク管理では、リスクコントロールとリスクファイナンシングの2種類に大きく分類することができます。リスクコントロールとは、損失の発生頻度と大きさを減少させるための手法です。一方、リスクファイナンシングとは損失を補填するために予算措置を講じることです。リスク管理では、上述した片方だけを行うのではなくリスクコントロールによって損失を発生頻度と大きさを減少させつつ、リスクファイナンシングを遂行することでより適切なリスク管理をすることが重要なのです。

リスクコントロールについて

1.リスク回避
リスクを伴う活動そのものを中止してしまう手法です。
予測されるリスクを遮断する対策を講じる一方、得ることができたリターンについては放棄することになります。

2.損失防止
リスクが発生することで現出する損失を未然に防止するための対策を講じることです。予防措置の観点を導入することでリスクの発生頻度を減少させる対策も包含されています。

3.損失削減
リスクに伴って事故が発生した場合において、損失拡大の防止および軽減を行い損失規模を抑制するための対策を事前に講じる手法です。

4.リスク分離および分散
リスクそのものを1ヶ所に集中させないようにして、分離および分散させるための対策を講じることです。企業が事業を継続的に運営する場所が本社だけであれば、大きな自然災害で本社に大ダメージが発生した際、企業の事業を継続的に運営することはできません。それらのリスクを考慮して、企業が事業を継続的に運営する場所を複数に分離および分散させる対策を講じることなどが挙げられます。

リスクファイナシングについて

1.リスクの移転
リスクに相当した損害保険および生命保険などの契約締結を実施し、損失発生時に契約先などから損失補填を受ける手法です。

2.リスクの保有
リスクがあることは承知していながら具体的な対策を講じず、損失発生時に自己負担する手法です。
想定されるリスクによって生じる損失が小さい場合や、発生頻度がごくわずかである場合において採用される手法です。

リスク管理のプロセスについて

一般的なリスクマネジメントのプロセスは、次のとおりです。

1.リスクの発見および特定
企業において想定されるリスクを検証して特定します。

2.リスクの算定
特定されたリスクに対して、発生確率および実際に発生した際の企業へ与える影響度を考慮して企業におけるリスク管理の重要度を算定します。

3.リスクの評価
算定したリスクについて定性的な基準に照らし合わせて評価し、リスク対応する優先順位を決定します。

4.リスク対策の選択
リスク単位でどのような対策を採用するのかについて、リスクコントロールおよびリスクファイナンシングによる手法から選択して具体的な対策を講じます。

5.リスク対策の実施
選択したリスク対策について、具体的に実現するためのリスクマネジメントプログラムを策定します。

6.残留リスクの評価
リスク対策を講じた結果、残留したリスクが容認できる水準を満たしているのかどうかについて定期的に評価します。

7.リスクへの対応方針および対策のモニタリングと改善
定期的なスクリーニングおよびリスク発生時の重大な損失が具現化した際に、リスクへの対応を必要に応じて改善します。

8.リスク管理の有効性評価と見直し
リスク管理の仕組みが適切かつ効率的に構築および運用されているか、対策の有効性を評価して必要に応じて見直しを行います。

まとめ

ここまで、企業におけるリスク管理の重要性について詳しく解説しました。企業におけるリスクとは、未然に防止できるものもあればそうでないものもあります。
また、リスクの種類によっては企業に与える損失が大きいものや軽微であるものもあります。企業が内包しているさまざまなリスクを適切に把握し、それらに対して柔軟に対応できるように常日頃より対策を講じておくことがリスク管理にとって重要であると言えるでしょう。本記事が、企業においてのリスク管理の重要性を再認識するための一助となれば幸いです。