【KYCC message #4】社員インタビュー(経営企画室):宍戸俊裕

経営企画室 宍戸 俊裕

1.(KYCコンサルティングに入社するまで)どんなキャリア、経験を積んできたのか?

国立大学発のベンチャー企業3社で合計13年、世界最大手情報サービス企業で3年

 私は大学を卒業後、国立大学発のベンチャー企業と、外資系の大手情報サービス企業に勤めました。 最初は、大阪大学医学部発のバイオベンチャーに10年、次に東京大学農学部発のバイオベンチャー、さらに京都大学情報学研究室発のサイバーセキュリティ・ベンチャーと合計3社13年ほど、主に経営企画と新規事業の開発に携わってきました。

 その後、トムソン・ロイターに約3年間、在籍しました。そこでは中央省庁の研究機関向けの研究マネジメントコンサルティングをしました。具体的には、国際的な研究トレンドを調査する部署にて、研究業績に関する調査・分析・報告などを行う業務でした。その際、プログラミングによるデータや数値分析が必要でしたので、この機会にエンジニアリングのスキルを得ました。その経験の中で、データベースを構築することはおもしろいと思ったのです。

2.どういう経緯、どんな理由でKYCコンサルティングに転職したのか?

ゼロから1を生み出すことが好きで、チャレンジしたかった

 前職の企業は世界的にブランド力が確立しており、データも豊富で自由な環境でした。新規のアポにも苦労がないのです。しかし、私自身が0(ゼロ)から1を生み出すことが好きなため、自分で開拓してみたい、いわば、新しいことにもっとチャレンジしたかったのです。そこで、転職先の条件に、創業5年以内、従業員10人以内、データベースを構築するベンチャーと設定したところ、人材会社から最初に紹介されたのが、KYCコンサルティングでした。

 まず、大株主と一次面接しました。過去3社のベンチャー時代に、株主とのコミュニケーションの重要性を理解していましたので、相談できてやりやすそうだと思いました。最終面接で飛内(当社の代表取締役 飛内尚正)と会いました。20年以上も一つの会社に在籍し役員までなっていたのに、50歳過ぎて独立したことに驚きました。社会的に成し遂げたい信念を強く感じました。これまでシニアアントレプレナーに会う機会が少なかったため、50歳を超えてから起業する人の決意の強さは、20代、30代とは違うことにいい意味で衝撃を受け、2022年4月に入社しました。

3.入社後、どんな仕事をしてきたのか?

技術的なスキルだけでなく、ビジネス視線と両方の橋渡しが私の役割

 経営企画室では、 経営戦略・事業戦略・営業サポート・開発サポートなどの経営・事業施策をリードしています。会社の成長につながる事業企画や戦略の立案、営業支援、システム開発のプロジェクトマネジメントなど、業務範囲は多岐に渡ります。組織横断なプロジェクトも多く、経営層から複数部署の担当者、社外のステークホルダーまで、多くの関係者とコミュニケーションを取りながら、業務を遂行しています。

 入社当初は開発寄りの業務から始まり、データベースを整理するシステム開発にも携わりました。それ以降、経営企画が中心ですが、現在も開発に引き続き携わっています。それは、私の思いとしてはシステム開発を担う人も、営業やビジネス的な視点を持っていてほしいという希望があるからです。これまでの経験からいえることで、技術的なスキルだけではなく、ビジネス的な視線が必要で、両方の橋渡し的な役割を担っていきたいと考えています。

4.どんなところに醍醐味を感じているのか?仕事に対する情熱やこだわりは何か?

少ない人数だからできる経験、ベンチャーの良いところを最大限に生かしたい

 一般的に、ある程度の規模がある企業では、専門チームがあり分業制で活動しています。KYCCの現在の事業ステージでは、少ない人数で活動することや、1人でプロジェクト全てを行うことも珍しくありません。1人でやらざるを得ない、言い換えれば、そこで得る経験は独り占めできるのです。実は、資金調達はKYCCに入って初めて担当しました。そんなことが可能なのがベンチャーのいいところです。ファイナンス系を経験したことないなら挑戦してみるか、という風土があります。他の人も、営業しながらマーケティングも、など同時に進行しています。

 一方、まだ6年目の企業が、これから数十億円の規模になるという計画の正当性を、株主に理解していただくことは難しいものです。当社は「ハンズオン」で協力的な株主が多いのです。何か行き詰まった時にはすぐ相談しています。いいアドバイスのほかにも資料作成も協力していただいています。その上で、合理的な資料、予算計画など中期計画を作成し、既存の株主やその紹介者、投資家に1件1件プレゼンテーションしています。また、飛内に相談し、意思決定を支援することも自分の役割だと考えています。理念やビジョンがあっても、計画や実行が伴わなければ大きくなっていけません。

※「ハンズオン」:企業買収や投資を行う際に、投資後、マネジメントにどのくらい関与するかを表現する言葉

5.将来的にKYCコンサルティングで成し遂げたいことは何か?

自分たちで、デファクトスタンダード(事実上の標準)を作り上げたい

 まずは、この会社の将来性を見て投資いただいた株主皆さんに、恩返しをしたい。一つは、最低でも大型IPOの実現です。メインは「KYC」(Know Your Customer=本人確認)を日本の社会でインフラ化することです。日本は安全が当たり前の国であるためか、コンプライアンスに対する意識が低い傾向にあります。そのため世界から見ると「KYC」領域では低い水準にあることも事実です。

 それを誰かがやるだろうではなく、数人から立ち上がったわれわれが「KYC」を日本の社会でインフラ化するよう整備していきたい。そういう飛内が描いている世界観に共感しています。何が意欲をかき立てるかといったとき、将来、人生を振り返る時、いくら稼いだかではなく、どれだけ世の中に貢献してきたかでしか、仕事のやりがいは味わえないと思っています。その意味で、一つのインフラを作ることは大仕事ですし、一つのデファクトスタンダード(事実上の標準)を自分たちが作ったということは、歴史を作ったことになります。こんなにやりがいのある仕事はありません。