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反社チェックにおける顧客リストのアップデートの重要性

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「Know Your Customer (KYC)」は言葉の通り、「顧客を知る」という意味です。自社製品やサービスを販売するために、自社の顧客を把握するのは当然のことだと言えますが、販売を目的とする営業視点ではなく、保守視点から自社の顧客の「何を」「どの程度」把握すべきか理解することで、取引リスクを減らし、結果としてコンプライアンスチェックのコスト軽減につながります。

顧客リストは定期的にアップデートしていますか?

契約・登録をいただいた顧客の状況は日々変化します。製品やサービスの継続利用がされていれば顧客の利用状況は確認できますが、利用期間中に顧客の会社が買収され経営母体が変更された、顧客の会社と暴力団の関係が報道された、会社移転や業種変更により契約内容を変更する必要が発生したなど、顧客の状況の変化に伴い、取引は継続しているものの顧客情報が更新されていないと、思わぬリスクを抱える可能性があると言えます。

このように、売上につながる営業先の顧客リストを「攻め」の顧客リストとするならば、総務・管理系のリストは「守り」の顧客リストとして、常にアップデートしておくことが必要です。昨今話題になっている「継続的顧客管理」として、顧客の現状を把握し、自社に必要なレベルで必要な情報を確認しておくことが重要と言えます。

反社チェックにおける必要な顧客情報とは?

では、自社にとって必要な顧客情報とは何でしょうか?今回は反社チェックの観点で、あるクライアント様の事例をもとに考えてみたいと思います。今回の事例は、業界の対法人向けプラットフォーマーとしてサービスを展開されているクライアント様で、取引先・登録者数においてかなり多くの法人情報を保有されています。クライアント様の依頼で取引先のチェックをすることになり顧客リストを見返すと、急激に事業を拡大されてきたことから未整備な部分が散見されたため、まずどの部分から着手すべきか、についてアドバイスをさせていただきました。反社チェックの観点から確認すべき最低限必要な条件は、以下になります。

  • 名称(正式な法人名)
  • 住所
  • 代表者名

法人情報は同名の企業が日本全国でかなりの件数が存在し、個人と違って生年月日で照合することができないため、住所と代表者名で情報補完(同一性確認)することが一般的です。そのため、上記3点が最新情報かどうか、という点を確認することが重要になります。過去の取引から情報連携ができており、先方からの連絡により変更点などが更新できているケースも多いのですが、直近の取引が途絶えている、変更の連絡を忘れているなどのケースによって情報が更新されないことが多々発生しております。今回の事例では登記簿の取得をお手伝いするとともに、代表者名・住所変更記載等も確認対応することで顧客情報を短期間で最新化することができました。

顧客リストの放置がもたらすデメリット

今回の事例では、先方の事情で短期間での対応を求めらたことから、費用が高額になってしまいました。登記簿の取得や顧客リストの追記作業などは機械的に処理することはまだ難しく、人手による作業が必要になったことが要因です。また、情報を補完したことで当時は気づかなかった事件情報が発覚し、取引の継続を再検討するということにもつながりました。顧客リストを放置しておくと後々の事業や経営において課題になる場合があり、時間の経過が長いほどその取引を停止することが難しくなるでしょう。

このように、自社の顧客リストを定期的に見直しておくことで、有事の際のコストを軽減することができます。しかも確認すべき項目は、上述のように少なく、契約時に確認する一般的な項目です。決算や契約応答日など、一定期間で抜け漏れのある顧客を一覧化し、アップデートすることは、顧客との接触チャンスになり、取引リスク軽減や新たな取引につながる効果もあると思います。(もちろん解約されるケースもありますが)

顧客リストの定期的なアップデートで取引リスクとコストを軽減

「守り」の顧客リストは、売上には繋がらないリストかもしれませんが、「取引リスクの軽減」と「コスト発生を抑える」点において非常に重要な要素があると言えます。顧客リストを一気に全てまとめてチェックしようとすると時間もコストもかかります、少しずつ、定期的に継続して確認することを、企業としての習慣としてしまえば顧客とより良い関係になっていくものと言えるでしょう。

大事な顧客情報のメンテナンス、これを機会に少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。弊社では様々な顧客の事例をもとに無理のない業務フローのご相談、ご提案にも対応させていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。