当社はリスク情報を体系化し自動でデータベース化するAIエンジンの開発に成功。情報処理学会にて受賞いたしました。

〜AI技術によりリスク情報の体系的収集とデータベース化の社会実装、年内に商用利用化へ〜

AIシステムの社会実装を目的に長岡技術科学大学大学院技術科学イノベーション専攻3年の片岡 翔太郎ら学生メンバーが主体となって設立した長岡技術科学大学発ベンチャーである株式会社マヨラボ愛知工業大学経営学部経営学科、野中尋史准教授が主催する知識マイニング研究室は、当社と共同で自然言語処理・AIを利用したリスク情報解析システムを共同研究開発しております。

この度、これまでの共同研究開発の結果,リスク情報を体系化し自動でデータベース化するAIエンジンの開発に成功しました。この成果により現在、各事業者が動で整備している犯罪・リスク情報データベースを「大規模」かつ「高速」に作成することが可能となります。

当社のリスク情報収集システムにて検証し、その効果は確認済みとなります。

成果の一部について情報処理学会全国大会で「eKYCのための教師無し犯罪情報体系化手法の開発」と題した発表を行い発表者の長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学専攻修士1年で株式会社マヨラボインターン生である百々優志郎氏が学生奨励賞を受賞しました。

◯リスク情報収集AI技術の概要

このAI技術は企業犯罪記事を収集したうえで犯罪、事件、事故に関連する記事からその内容に関する文を抽出し、さらに刑法に定義された正確な罪名等でラベリング化するものです。この手法は「教師無し学習」という、AIにパターンを教え込むためのデータ(教師データといいます)が無くとも行える画期的なものになります。具体的には下図に示す通り、言葉の意味を読み取るAIであるWord2vecと文書同士の類似度をはかるWMDを組み合わせて罪名と記事中の文を対応付けてラベリングします。このAIにより手動で犯罪・リスク情報を収集する必要がなくなり自動で高速かつ大規模な犯罪・リスクデータベースを構築できます。

大規模な犯罪・リスク情報に関するデータを手動で収集することは大変なコストと労力を要するものであったため今回の成果はレグテック分野に大きなインパクトをもたらすと期待されます。

◯今後の展望

今後は、年内を目処に商用利用化し、本システムを我が国の犯罪収益移転防止法の特定事業者であるTraditional、Fintechの別なく広義の金融機関はもとより、上場、非上場、スタートアップ、自治体等を問わず健全性を志向するあらゆる業種の事業者の切なるニーズに応えるよう社会へ広く開放し、当社のミッションである「KYC (Know Your Customer)の社会インフラ化」へ貢献したいと考えております。

■『株式会社マヨラボ』について

代表取締役社長:片岡翔太郎

資本金:50万円(資本準備金を含む)

事業内容:長岡技術科学大学発のベンチャー企業であり、動画からのAIを活用した作業分析システムや設計図面解析システム、車載カメラ画像の解析、自然言語処理技術を利用した特許解析システムやWebインテリジェンスシステムの共同/受託研究開発を主な事業としている。今回の共同研究では、自然言語処理技術を利用した反社会勢力・犯罪動向に関するAIを利用したWebからの情報収集システムの開発を担当する。

HP:https://mayolab.co.jp

■『愛知工業大学知識マイニング研究室』について

准教授 野中 尋史 博士(工学)

研究内容:AIの産業応用をテーマに製造業・サービス業・医療など幅広い分野の機関と連携した研究を行っている。知財学会優秀論文賞の受賞や権威ある国際学会論文誌(Harmful Algae、 International Journal of Heat and Mass Transfer、 Information Processing and Managementなど)への論文採録をはじめとする研究成果を残している。また、所属学生が日本設備管理学会優秀発表賞を受賞するなど学生の活動も活発な研究室である。今回の研究の他には、特許解析、ドライブレコーダー解析、設計図面解析、生産スケジュール最適化、作業動画分析、複合加工機械自動制御などの産業界向けAI援用システムに関する研究を行っている。