【株式会社ユーザベース】反社チェック業務の安定的な運用、シームレスなリスクチェック実行が可能に

企業活動の意思決定を支えるビジネス情報インフラを提供している株式会社ユーザベース
運営する主なサービスは、経済情報プラットフォーム「SPEEDA」や、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」などです。
同社は、2023年1月に、当社の「Risk Analyze」(リスクアナライズ)を導入し、商談前のリスク管理を徹底しています。今回は、CRM(顧客情報管理)領域を担うBPR & System Teamの武藤崇志様と秋本裕史様にお話を伺いました。

株式会社ユーザベース
武藤 崇志様
秋本 裕史様

サービス品質の確証、導入まで約3カ月、1,000件の調査済みデータで比較検証を実施

――Risk Analyzeを導入するまでの経緯を教えてください。

 弊社ではもともとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用し、取引先の反社チェックの自動化を実現していました。しかし、RPA特有の課題である安定性や定期的な棚卸の手間、海外取引先の反社チェックの精度などが課題として残っていました。SalesforceのAppExchangeで公開されているRisk Analyzeを利用することでこれらの課題が解決できるかもしれないと思い導入しました。

――導入までの過程で、サービスの品質について比較検討されましたか。どのような検証内容だったのでしょうか。

 従来、一次スクリーニングとして使用していた自動検索システムと、約3カ月の期間をかけて比較検証を行いました。両サービスを稼働させ、1,000件の調査済みデータの差分を基に比較検証した結果、優位性があり、Risk Analyzeの導入を決定しました。

――導入以前、リスク管理を行う中で抱えていた課題や困り事などはありますか。

 従来、リスク管理業務を行う中で、困っていたことが三つありました。

 一つ目は、RPAの使い勝手です。RPAが対向システムの影響を受けやすく、対向システムの影響で、稼働途中に停止することがあります。停止すると、オペレーション対応(手作業での反社チェック)、RPAの不具合調査および改修などが発生し、注意して、定期的にチェックする必要がありました。

 二つ目は、取引先の全件チェックを行った場合、ネガティブ情報が約10%ヒットするのですが、そのほとんどはチェックの必要がないもの(表彰・記者名称などの非リスク情報)です。その要否判断を目検で行うため、多くの時間を割くことになり、効率的にできる方法を探していました。

 三つ目は、年に1回、取引実績がある取引先全件に対して、定期チェックを実施するのですが、対象の選定やネガティブ情報の確認を含めると約2カ月もの時間を要するため、改善策が必要でした。

定期モニタリングの活用で2カ月を要した全取引先のチェックが不要に

――通常業務で、Risk Analyzeをどのように活用されていますか。

 当社のコンプライアンスチェックの対象は、法人・個人とその両方を含む海外の取引先です。取引先が、Salesforce上に作られたタイミング(商談の段階)でRisk Analyzeを活用した一次スクリーニングでリスクの有無を確認します。リスク管理業務は、CRM領域として、主に二人体制です。リスクのある案件については、従来のRPAを利用して、本文記事の確認やエビデンスのチェックを行っています。それでもリスクがあると判断された場合は目検での最終チェックを行っています。二つのツールを効率的に活用し、より強化したリスク管理のプロセスを組み込んでいるのです。

――導入して感じる効果や使い勝手について教えてください。

 日常業務での効果は、コンプライアンスチェック業務が安定的に運用できるようになったなと実感しています。他にも、課題であった毎月の目検作業(新規取引申請、約300件のうち約10%)が減少しました。

 また、定期モニタリングの活用で、2カ月も要していた取引実績がある取引先全件を対象にしたチェック業務が不要となったことは、業務改善に大きな効果をもたらしています。

 貴社のSalesforce(顧客管理クラウドサービス)と連携したサービスは、取引先作成と同時にリスクチェックをシームレスに実行することが可能となり、営業プロセスの統制につながります。

――Risk Analyzeを利用する中で、弊社への要望や期待することはありますか。

 期待していることは、二つあります。一つ目は、Salesforce側で、より多くの情報が見られるようになることです。リスクがあるものは、犯罪種別が表記されますが、より詳細な内容を確認しようとすると、Risk Analyzeに直接見に行く必要があります。そこを省いて業務効率を上げられないかと感じます。

 二つ目は、コンプライアンスチェックでヒットしなかったもののエビデンスを、どのように担保すべきか検討しています。Risk Analyzeの実行履歴とは別に、Salesforce上でも照会結果のエビデンスが残るシステムが組み込まれることを期待しています。

――連携システムに関するご意見をありがとうございます。システムに反映させ、サービスの拡充に努めます。本日はありがとうございました。